カリキュラムの概要

機械エンジニアとして社会で活躍するためには、機械工学に関する様々な専門分野の知識と応用力を修得しなければなりません。カリキュラムマップは、機械工学科カリキュラムの年次進行と修得分野別の達成目標を流れ図として示しています。すなわち、自分が修得したい素養はどの授業を履修すればよいかを分かりやすく明示した図です。機械工学科は、それぞれの達成目標を4年間で修得できるよう教育します。修得年次別の代表的な授業科目の概要は、以下の通りです。

1年次は、教養科目・基盤科目に加えて基礎的な専門教育科目を設置しています。少人数グループで機械の分解・組立を行い機械の中身を学ぶ機械工学演習、図学の基礎を学ぶ3次元グラフィックス演習などの授業により、専門分野への学習意欲を少しずつ育んでいきます。

2年次からは、専門教育科目の授業がメインとなり、機械エンジニアとしての素養を磨き始めます。機械部品のしくみを理解する機械要素、適切な材料を選択するための機械材料、その加工を適切に行うための機械加工学、合理的なエネルギー変換を行うための熱力学と流体力学などです。また、メカトロニクス演習、基礎製図などの専門的な実技科目も始まります。2年次後期開始時にはコース配属があり、各自の将来進路希望に沿ってコース選択を行います。

3年次は、専門化したコース科目に加えて、専門の応用系科目が設置されています。材料加工系の切削工学、制御工学系のシステム制御、熱・流体力学系の内燃機関と流体機械などです。実技系科目は、コンピュータで機械設計と機構解析が行えるCAD演習、高度な機械の仕組みを理解する機械工学実験A・Bなどが設置されています。また、問題解決ものづくりを実践するプロジェクト演習系科目を設置しています。この科目は、レギュレーションに沿った企画、設計、製作、評価に至るまで一貫したものづくりを体験できることが特長です。このように、創造力ならびに機械工学としての総合力を養って、4年次の卒業研究につなげていきます。

自動車工学コース

自動車関連企業に就職を考えている学生をターゲットとしたコースです。自動車工学をはじめ、自動車の生産工学、自動車エンジン、ビークルダイナミクスなどを学びます。ドライビングシミュレータ、ヒューマンエラー評価装置など最新の研究設備も充実しています。

Close Up授業:
プロジェクト演習

実際の自動車づくりを体験し実践的な経営管理能力を修得

自動車プロジェクト演習は少人数グループによる演習授業。レギュレーションに沿ったアイデアに富む独創的な電動カートを設計製作します。学生が主体となって『立案・設計・製作』と一連の手順を踏んでひとつの装置をつくりあげることで、座学では得られない「部品調達」や「工程管理」、「協働作業」など実際の“ものづくり”の現場で欠かせない経験ができます。

また改良を繰り返しながら最終作品を創り上げるという「ものづくり」の難しさと楽しさ、さらに、柔軟なものづくりの考え方やチームワークの大切さも学習します。最終授業では、受講者が一堂に会し、プレゼンテーションと品評会および走行競技会を行い、成果を公表します。

航空宇宙コース

航空機やロケットを対象に機械工学に対する興味を引き出し、先端技術の理解と修得を目標としたコースです。航空宇宙工学をはじめ、軽量構造力学、高速空気力学などを学びます。超軽量飛翔体創製装置、無重力実験装置など先端的な研究設備も充実しています。

Close Up授業:
3次元グラフィックス演習(全コース共通科目)

製図の基礎となる立体感覚を身につける

実技形式の科目で、製図の基礎となる立体感覚を身につけることをねらいとしています。
3次元CAD(SolidWorksを使用しながら図学の基礎を視覚的に勉強。SolidWorksを使用した立体モデルの作成方法を修得した後、立体モデルの平面投影、陰影、断面図、展開図などの基礎を学び、SolidWorksを利用して演習を行います。

また、3次元CADの基礎となっている空間座標・点・線・面の概念について、プログラミング(MATLAB)の3次元グラフィックス機能を利用して勉強します。3次元CADによる基本的な立体モデルの作成、立体モデルからの平面図の作成、立面図からの立体モデルの作成、プログラミングによる3次元グラフィックスの作成を達成目標としています。

ロボット・機械創造コース

高性能の機械を効率的に生産する工学を学習し、ものづくりに精通した学生を育てることを目標としたコースです。マシンツールをはじめ、機械構造材料、デザイン工学、ロボット工学などを学びます。充実したものづくり設備を活用して創造性に富む機械をつくります。

Close Up授業:
マシンツール

工作機械に関する基本的な知識と操作方法について学ぶ

工作機械とは機械を作るための機械です。その分類や数値制御工作機械へ発展した歴史、汎用工作機械の基本的な構造構成を学習します。

また、製作実習で使用する工作機械と機械加工学で学ぶ切削加工との関係および工作機械の構成や機能 について理解します。さらに、コンピュータを使用して制御するNC工作機械とファクトリーオートメイションなどの理解も深めるとともに、効率の良い部品の製作方法について機械設計と機械加工との関わりについても学びます。

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